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ステゴビル [ネギの仲間]

久しぶりの撮影日和
 今年の秋霖は長く続き、なかなか野外で撮影する機会がない。撮影技術があれば、雨の中でも趣のある
写真は撮れるが私には無理。何よりもカメラとSDカードのデータ損失が心配である。雨がやむのを待って出かけも、これだけ日照時間が少ないと、野生とはいえ花付きが悪いようだ。こうした天候でも健気に咲く花を写すことも必要だが、良い写真を撮りたいという人間の欲が先立ってしまう。今日は朝から撮影日和。この時期に咲く花を目的に早速出かけた。

sutegobiru2.jpgsutegobiru1.jpg

ステゴビル(ヒガンバナ科)Allium inutile 捨小蒜
 北海道~九州に分布、原野に生える多年草。別の科や属に分類されることがあった。和名の漢字表記はなんとも気の毒な名前である。「蒜」はネギ、ノビルや、ニラなどの総称。ネギ臭がなく食用にならないことから捨てる、これが本種の名の由来のようだ。夏の終わりから花茎を伸ばし(高さ15-20㎝位)、先端に白色~淡紫色の花を数個つける。一つの花は6枚の花被片(約7-8㎜)からなる。この花茎は晩秋に枯れる。これに替わって葉が伸びて翌年の夏に枯れる。(寒さの厳しい地域では、冬期に枯れて春再び葉を伸長するという)

自生地は、例年通り草が綺麗に刈られて、ステゴビルの生育に適した環境が保たれている。

 この自生地は、県の天然記念物に指定されているが、一時は絶滅寸前の状態であった。地主の協力をはじめ、地域の方々のご尽力で復活した。地主の方の定期的な除草(葉が枯れる夏以降)や日頃の管理で維持されている。環境省のカテゴリーでは絶滅危惧Ⅱ類、本県ではⅠ類に指定されている。生育に十分な日光が当たり、草地の状態が維持されなければ絶えてしまう。地主の方の維持管理で毎年この花を見ることができる。

 今年は開花が早く、残念ながら咲く花の数は少なく状態も良くない。しかし、年の一度の貴重な出会いに感謝したい。 (2016.9.27)


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